2006年7月17日 (月)

嫌われ松子の一生

監督脚本/中島哲也 出演/中谷美紀 瑛太 伊勢谷友介ほか

★★★★★ 5点

ひとりの女性の波乱万丈の人生を描いたベストセラー小説を映画化

ミュージシャンを夢見て上京し、とっくに夢をあきらめていた川尻笙(瑛太)。ある日、父親から会ったこともない叔母の死を知らされ、彼女の部屋の整理を言い渡される。遺品や隣人、友人から叔母の波乱万丈の人生を知っていく。

歌の上手な音楽教師である川尻松子(中谷美紀)。修学旅行先で起こった窃盗事件をきっかけに、転落の人生がスタートする。

とってもおもしろかった。彼女との何の接点も持たずして見たら、ただの泥沼人生を送った不幸な一人の女の話に過ぎないのに。

某CMの「どうする?」みたいな、人生の選択は、いつでも、誰にでもあるはず。それを選び間違えると、ボタンを掛け違えるとか、歯車が狂いはじめるとか、言うんだろう。そして、間違い続けると後戻りが効かないことになる。

自分の人生を自分で選択して生きている人(とくに女性。松子が女だから。または想像豊かな男性)には、選び間違い続ける怖さが想像できて、怖くなるかも。

あのとき、ああ言えば良かった。あのとき、あっちに行けば良かった。なんことは、いつでも誰にでも、何度でも、必ず訪れる出来事で、人生はそれの繰り返し。うまく選んでいられるうちは、ラッキー(自覚はなくとも)が続くだけのこと。

まともで幸せな人生を送り続けている人、自分で人生を切り開いたことのない人には、理解不能で面白くない映画だと思う。でも、そうでない人には、とても切なくて、おかしくて、妙にあたたかなストーリー。彼女の人生と同じように、寂しさを感じ、幸せを感じ、泣いて、笑っての時間が過ごせる映画。ハンカチを忘れずに。

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2006年7月 9日 (日)

ホワイト・プラネット

監督脚本/ティエリー・ラゴベール、ティエリー・ピアンタニダ 製作脚本/ステファン・ミリエール 音楽/ブリュノ・クレ

★★★☆☆ 3点

北極の過酷な大自然を舞台にしたネイチャー・ドキュメンタリー。

冬、広大な氷原で生き抜くホッキョクグマやアザラシ、セイウチたち。春の訪れと共に、解けてゆく氷の大地で暮らす50万頭ものカリブーは、夏にむけて大移動を始める。夏になると栄養豊かな海の恵みにクジラや海鳥たちが訪れ、短い夏を過ごす。そして、また真っ白な冬が来て氷原が現れる。

ホッキョクグマの親子が真っ白な世界で暮らしている姿。氷の白さ、青さ。ともて美しかったけれど、どうも大自然の迫力というか、目新しいさというか、なにか物足りなさを感じた。

うーん。大自然の感動スペクタクルといえば、ディープブルー。それと比べてしまうからかな。だいぶ見劣りするもんね。衝撃的な映像がなかったからだろうか。

地球上のもうひとつの惑星と呼ぶに本当にふさわしい、とても美しい大自然が、温暖化でどんどんなくなりつつあるというのは悲しい現実。そういう意味では、ショックだけど、それを訴える、その大きなテーマに見合う映画としてのパワーがなかった。これも現実。

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デスノート 前編

監督/金子修介 脚本/大石哲也 主演/藤原竜也、松山ケンイチ

★★★☆☆ 3点

人気コミック「DEATH NOTE」を実写映画化したミステリー・ホラー。

死神の世界から落とされた“デスノート”に名前を書かれたものは死ぬ。
これを拾った夜神月-ヤガミライト-(藤原)は、犯罪のない世界へと凶悪犯を次々と死に至らしめる。この行為を連続殺人として、犯人を突き止めるべく、L-エル-(松山)と名乗る謎の人物が事件解決に乗り出し、二人の対決が始まる。

このキレキレの二人のキャスティングは難しだろうと思いながら、見たのだけれど、以外と違和感なく観れて良かった。演技派の二人だからかな。でも、藤原竜也は、もう少しやせていて欲しかったし、ノートに書く字が繊細であって欲しかった。後編までにさらなる役作りを期待したいところ。

コミックを読んでない人が楽しめる映画かどうかはちょっとわからないなあ。

後編があると知らなかったであろう観客から、「えっ」ていう声が響いた終わり方だったけれど、うまいこと映画用にまとめられていて面白かった。

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ポセイドン

監督/ウォルフガング・ペーターゼン 出演/カート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス、リチャード・ドレイファス、エミー・ロッサム、ジャシンダ・バレットほか

★☆☆☆☆ 1点

「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク版。新年を祝う豪華客船ポセイドン号が巨大な波に押し寄せられて転覆。船はまっさかさまに。船員に止められるが、カートラッセルら9人の乗客は出口を求めてスクリューへ向かう。

船から脱出することになる乗客9人の人間関係や背景の前フリはあったものの、いざ出口を目指し始めると、彼らの関わり合いや心境がイマイチ描かれておらず、そのへんは、観客の想像にずいぶんとゆだねられた感じだ。感情移入するスキを許さない、とにかく逃げることだけに必死の海洋パニックアクションだった。

巨大な豪華客船が180度まっさかさまであるスゴサも伝わらず、もったいないなあ。

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ダ・ヴィンチ・コード

監督/ロン・ハワード  出演/トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、ジャン・レノ、イアン・マッケランほか

★★★☆☆ 3点

世界的なベストセラー小説を映画化。宗教的な意味合いから話題になった作品。

ルーヴル美術館の館長が変死することで始まるミステリー。館長は死の謎を暗号として、大学教授ラングドン(トム・ハンクス)と館長の孫で暗号解読官のソフィー(オドレイ・トトゥ)に残す。二人はその謎を追ってゆく。そして、レオナルド・ダ・ビンチの名画に隠された暗号の解読へと辿りつく。

宗教的な何たるかは別として、普通にミステリー映画として楽しめた。深く知れば、難しい解釈ができるようになって、イチャモンつけたりできて、もっと面白くなるのかもしれないけれど。でも、世間もそれほどヤンヤ言うほどのことはないとは思った。

小説読まずに行っちゃたけれど、これから見る人には、関連本がたくさん出てるから、それらをちょっと読んでから見るほうがいいかも。

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2006年5月26日 (金)

間宮兄弟

監督・脚本/森田芳光 主演/佐々木蔵之介、塚地武雅

★★★★★ 5点

ビール工場に勤める兄(明信)と校務員の弟(徹信)。彼らが間宮兄弟。

こんな兄弟に出会えたら楽しいだろうなと思った。ふたりの懐かしくて今どきの感じがいい。きちんと暮らす。楽しく生きる。まっすぐに想う。彼らの生活信条はとても心地良い。

単純といえば単純かもしれないけれど、小さなことにときめける感性。忘れない大切さ。子供のころのドキドキだった毎日を大人になっても続けている彼らがうらやましく思えた。

あるあるってうなずける人にも、なにそれって人にも、間宮兄弟っていう面白いやつらがいるんだよって、おすすめしたい映画。楽チンに楽しい映画を見たい人にもぜひ。

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2006年5月16日 (火)

プロデューサー

監督/スーザン・ストローマン 脚本/メル・ブルックス 主演/ネイサン・レイン マシュー・ブロデリック

★★★★☆ 4点

派手な世界から落ちぶれたプロデューサーのマックスと、地味に生きている弱々しい会計士レオの企みで、史上最悪のミュージカルをつくることに。上演打ち切りになることが彼らの目的だったが、予想に反して大ヒットとなってしまった。

面白かった。美しかった。

一人ひとりのキャラクターが素晴らしくて、とても楽しめた。強いて言うならば、ウーラ役は、もっとかわいらしく美しい女優のほうが良かった。ユマ・サーマンはちょっと個性的すぎる。

ミュージカル映画を見慣れてない私は、歌を心から楽しむ余裕がなかったので、ストーリー展開が遅く感じて、半ばチョット疲れてしまったが、ミュージカルが好きな人はもちろん、心に余裕のある人なら大丈夫。ただ、万が一に備えて、座り心地のよいソファのある映画館で見ることをおすすめ。

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LIMIT OF LOVE 海猿

監督/羽住英一郎 脚本/福田靖 主演/伊藤英明、加藤あい

★★★☆☆ 3点

座礁した大型フェリー。大爆発、沈没までの限られた時間で、人命救助にかける、海猿(海上保安庁の潜水士)たちの熱い思いを描いた物語。ドラマを見ていたおかげか、まあまあ、それなりに面白かった。タイムリミットがあるものは、映画でも仕事でもドキドキするもんだ。

ドラマを見てなかった人にはどうだろう。仲間たちの友情とか主人公仙崎の人命救助にかける思いとか、あれだけで伝わったのかなあ。恋愛部分はほどほどでいいけど。

だったら、いっそのこと、海洋エンターテイメントっていうくらいなんだから、海上保安庁の全面協力ってスゲエなあって思えるくらいのシーンが欲しかったなあ。船が沈んだ場所が、近すぎてちょっとガッカリした。もっと、遠くじゃなきゃ。手の施しようのなさがもっと伝わってきて欲しい。沈んでいく船と何もできず、それを見守る海上保安庁の船とヘリコプターが派手にいなきゃダメだと思うんだけど。

通路側の席の人がなかなか立ち上がらなかったので、いつもは見ないエンドロールを見る羽目になってしまったのだか、なんとメイキング映像が流れていた。おいおい、これはさすがに、しらけるっツーの。

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2006年5月13日 (土)

ブロークン・フラワーズ

監督・脚本/ジム・ジャームッシュ 主演/ビル・マーレイ

★★☆☆☆ 2点

昔、プレイボーイだった哀愁漂う独身おじさんが、「19歳になる息子がいる」と書かれた差出人不明の手紙をきっかけに、過去の女性を訪ね歩く映画。クスクスッとは笑えたけれど、すべてにおいて、なんだかピリッとしない映画。結末までモヤッと感が残った。

主人公「ドン」のチャーミングさにも、隣に住む友人のトンチンカンさにも、もう少し愛すべきシーンが欲しかった。愛すべきキャラクターが欲しかった。客観的に見るには、ちょっと、ストーリーが味気ない。

うーん。もっと想像力のある人やジム・ジャームッシュなる監督の作品が好きな人には、この感じがたまらないんだろう。せめて、私が、昔ならした覚えのある中年おじさんだったら、よかったのだ。

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